斎藤清六の才能を見出し、世に送り出したのは浅草時代からの縁である萩本欽一だった。『欽ちゃんのどこまでやるの!』をはじめとする通称「欽ちゃんファミリー」の番組群で、彼は欠かせないピースとして重宝された。萩本が仕掛ける突発的なフリに対して、期待を裏切るようなタイミングで返す絶妙なリアクション。それは緻密な演出と奇跡的な素朴さが融合した芸術でもあった。
また、彼の異彩ぶりはバラエティ番組にとどまらなかった。レコードを出せばその音痴ぶりが逆に「クセになる」と話題を呼び、CMやドラマ、映画への出演オファーも相次いだ。まさに時代の寵児として、80年代のポップカルチャーを象徴する顔の一人となったのである。