山手署の刑事課において、男社会の警察機構のなかで対等以上に渡り歩く田崎晴子巡査部長。この難役を見事に体現したのが岡本麗だ。彼女が演じた田崎刑事は、過度に女性性を強調することも、逆に男勝りを誇張することもない。「生身のベテラン刑事」としての泥臭さと人間味を合わせ持っていた。
安浦刑事との軽妙な掛け合いは番組の最高の名物であり、同時に被疑者や被害者の女性に対して見せる寄り添うような眼差しには、岡本自身の深い人間洞察がにじみ出ていた。現代の刑事ドラマにおける女性警察官の描かれ方の礎を築いたのは、間違いなく岡本麗の存在があったからこそだ。