味覚だけでなく、完成に至るプロセスそのものをエンターテインメントとして提供するスタイルが主流となった。浅草や祇園にオープンした話題の店舗では、シェフズテーブルならぬ「茶寮カウンター」を設置。目の前で職人が季節の練り切りを仕上げ、茶師が最適な温度で抽出した急須のお茶を注ぐパフォーマンスが繰り広げられる。
練り切りの繊細な筋彫りや、茶筅(ちゃせん)が立てる細やかな泡立ちを間近で観察する時間は、まさに五感の贅沢と言える。完成した一皿が差し出された瞬間の高揚感は格別であり、単なる「食べる」という行為を超えた、劇場型のアート体験として人々の記憶に刻まれている。