観光客を楽しませる華やかな姿の裏で、行政が最も期待を寄せているのが「フェーズフリー防災」としての機能だ。平時はカフェやマリンアクティビティの拠点として賑わう浮体施設が、いざ大地震による津波や超大型台風の高潮に見舞われた際、緊急避難プラットフォームへと即座に姿を変える。
海水面の上昇に合わせて自動的に高度を保つため、浸水被害を物理的に回避できる。施設内には非常食や医療キット、衛星通信設備が常備されており、沿岸住民が安全に救助を待つための「洋上の砦」となる。平時の賑わい創出と、災害時の命綱。この二重の役割が、厳しい予算審査を抱える自治体の背中を強力に押し込んでいる。