なぜ、これほどまでに人々はシールを貼る行為に熱中するのか。そこには「推し活」の成熟と、個性を形にしたいという切実な欲求がある。アイドルのトレカやアニメのアクリルスタンドと一緒に、世界観を合わせたシール帳を作り上げる。完成したページは、いわば自分だけのミニ美術館だ。
デジタル画像はスマホの画面をスクロールすれば一瞬で通り過ぎてしまう。だが、目の前にある紙の厚み、シールのぷっくりとした質感、光を反射するホログラムの輝きは、画面越しでは決して味わえない実体感をもたらす。「自分の手で空間をデザインする」快感が、デジタル世代の若者たちを刺激して止まないのだ。