「ロンドンやニューヨークでもここまで質の高い中古盤が揃っている街はない」。フランスから訪れた30代の音楽プロデューサーは、神保町の老舗店で両手いっぱいに抱えたLPを指差しながら熱弁を振るう。80年代のCity Popブームをきっかけに始まった海外からのレコード需要は、2026年に入ってますます多様化。和ジャズ、80年代のアニメサントラ、さらには日本の90年代インディーズロックまで、コレクターの探索対象は際限なく広がっている。
日本の店舗が評価される最大の理由は、盤質の管理状態の美しさだ。元々の所有者がレコードを大切に扱っていたことに加え、国内の買取・査定基準が世界的に見ても極めて厳格であることが挙げられる。海外のセラーであれば「MINT(新品同様)」と表記するような状態でも、国内店舗では「EX(良好)」にとどめるケースが多い。この圧倒的な信頼性が、世界中の熱心な音楽ファンを東京へと引き寄せる強力な磁力となっている。