現場を混乱に陥れる詐欺の手法は年々巧妙化しています。店舗責任者や従業員が事前に知っておくべき代表的な釣り銭詐欺の手口は、主に以下の3パターンに分類されます。
第1に、最も古典的でありながら被害が絶えないのが「金種のすり替え・言いがかり型」です。例えば、200円のドリンクを購入する際に千円札を出し、店員が800円のお釣りを渡した瞬間、「私は1万円札を出した。お釣りが9,800円足りない」と強く主張します。店員が「千円札をお預かりしました」と答えても、「財布に1万円札しか入っていなかった」「防犯カメラを見ろ」と高圧的に迫り、レジの行列を盾にして返金を強要します。
第2に、複雑な金銭のやり取りで相手の思考を停止させる両替詐欺の手口です。「1万円札を5千円札2枚に両替してほしい」と頼み、店員が応じた直後に「やっぱり細かい千円札にしてほしい」「あ、財布に小銭があったから元に戻して」と硬貨や紙幣を頻繁に出し入れさせます。目まぐるしいやり取りの中で意図的に紙幣を1枚抜き取り、最終的に店舗側に数千円の違算を発生させる手品のような手法です。
第3に、複数人による「連係かく乱型」です。一人がレジで会計をしている最中に、別の共犯者が「この商品の賞味期限はどこ?」「トイレを貸して」などと横から店員に話しかけて注意をそらし、お釣りを二重に受け取ったり、預かり金の確認を曖昧にさせたりします。