なぜ現代の日本で、国際規格であるメートル法と日本独自の坪数が混在しているのだろうか。その歴史は極めて深い。日本全土を歩いて測量し、精密な日本地図を作り上げた偉人・伊能忠敬の時代から、日本の国土計測は「尺」や「歩(坪)」を基準として行われていた。この伝統的な単位体系が尺貫法である。
明治時代を経て、昭和34年(1959年)の計量法改正により、公的な取引や証明で尺貫法を使用することは原則として禁止された。すべてはメートル法へ統一されるはずだったのだ。しかし、何百年もの間、日本人の身体感覚に染みついた「畳」や「坪」の概念を一夜にして消し去ることはできなかった。そのため、不動産業や建設業の現場では、今なお坪単価や建坪といった表現が日常的に使われ続けている。