足の血管が浮き出る最大の要因は、重力に逆らって血液を心臓へ押し戻す仕組みが破綻することにあります。足の静脈内には血液の逆流を防ぐための「静脈弁」が備わっていますが、この弁が加齢や過度な負荷によって壊れると、血液が足元に鬱滞(うったい)し、内圧の高まりによって静脈が拡張します。これが下肢静脈瘤の根本的な病態です。
なお、皮膚が薄い人や運動習慣によって筋肉量が多い人の場合、一時的に青い血管が浮き出る「生理的怒張」も見られます。しかし、血管が蛇行していたり、コブのように隆起していたりする場合は、病的要因を疑う必要があります。
臨床現場において確認される足の血管の浮き出は、主に以下の4つのタイプに分類されます。
- 伏在(ふくざい)静脈瘤:足の太い本幹静脈で弁不全が起き、ふくらはぎや太ももにボコボコとしたコブが浮き出る代表的なタイプ。
- 側枝(そくし)静脈瘤:伏在静脈から枝分かれした細い血管が拡張し、部分的に浮き出る状態。
- 網目(あみめ)状静脈瘤:皮下の浅い層にある直径2〜3mm程度の静脈が青く網目状に広がるタイプ。
- クモの巣状静脈瘤:皮膚の極めて浅い毛細血管が拡張し、赤紫色の細い筋がクモの巣のように広がる状態。