汗疱(異汗性湿疹)と足白癬(水虫)は、外見上の症状が非常に類似しているため、一般人が目視だけで判断するのは極めて危険だ。現代の皮膚科学においては、水疱の分布形態や発生時期、皮疹の周縁部の変化を観察することが重要視されている。汗疱は左右対称に発生しやすく、足の指の側面や土踏まずの周辺に直径1ミリ前後の小さな透明な水疱が群集して現れるのが典型的なパターンだ。
これに対し、白癬菌が感染して生じる足白癬は、片方の足の指の間(特に第4趾と第5趾の間)から症状が始まり、徐々に反対側の足へと拡大する非対称性が大きな特徴だ。水疱の周縁が赤く腫れ上がり、角質がボロボロと剥がれ落ちる現象(鱗屑)を伴う場合は、水虫の可能性が一段と高まる。発汗量が増える時期に急速に悪化し、秋口とともに沈静化する周期性を持つ汗疱に対し、真菌感染は季節を問わず角質層の奥深くに潜伏し続ける。