そもそも、なぜ人間はこれほどまでにおだてに弱いのだろうか。脳科学の研究によれば、他者からの賞賛を受け取ったとき、脳の「線条体」と呼ばれる領域が活性化する。これは金銭的な報酬を受け取ったときや、美味しいものを食べたときと同じ部位だ。つまり、脳にとって「褒め言葉」は物理的なご褒美と何ら変わりない。
さらに厄介なのは、この社会的報酬が「予測不可能」な形で与えられるとき、依存性が最も高まるという点だ。いつ、どれだけの称賛が得られるかわからないスリルが、私たちをさらに盲目にする。木に登る豚は、登っている最中の恐怖よりも、頂上で待っているかもしれない拍手喝采を夢見ているのだ。