当時、診断された病名は右足関節遊離体・靭帯損傷という、力士にとって致命的とも言える重症であった。関節内に骨片が飛び散り、足首を支える重要な靭帯が断裂・損傷するというダメージは、体重160キロを超える巨体を支えて激しくぶつかり合う大相撲の世界において、復帰を著しく困難にさせる。
一時期はまともな歩行すら危ぶまれた状態から、愚直なまでの治療とリハビリが始まった。痛みを抑えながらの補強運動、関節の可動域を広げる地道なトレーニング。焦る気持ちを抑えつつ、足首の強度を取り戻すプロセスは、華やかな土俵の裏に隠された壮絶な孤独との闘いでもあった。