「野菜は生で食べるのが最も栄養価が高い」という通説は、ズッキーニにおいては半分正解で半分間違いです。ズッキーニには「水溶性」と「脂溶性」の双方が高濃度で含まれているため、何を最優先で摂取したいかによってベストな調理法が変わるというのが科学的な結論です。
生食のメリット:水溶性のビタミンC・カリウムを100%回収
薄切りにしてカルパッチョや塩揉みサラダとして食べる生食スタイルは、熱に弱く水に溶け出しやすいビタミンCやカリウムを損失なくダイレクトに体内に取り込むのに最も適しています。鮮度の高いズッキーニ特有の、ほのかな甘みとサクサクした食感を楽しむことができます。
油加熱調理のメリット:βカロテン・ビタミンEの吸収率が約4〜6倍に向上
ズッキーニをオリーブオイルなどでソテーしたり揚げ浸しにすると、脂溶性ビタミンであるβカロテンやビタミンEの生体利用効率(吸収率)が飛躍的にアップします。油に溶け出すことで小腸からの吸収がスムーズになり、細胞へのデリバリーが加速します。
スープやポトフ、ラタトゥイユのように「煮汁ごと摂取する煮込み料理」を選択すれば、水に溶け出したカリウムや水溶性食物繊維も余さず回収できるため、全栄養素を余すことなく網羅する理想的な食べ方となります。
皮ごと調理が絶対条件である理由
ズッキーニの濃い緑色(あるいは鮮やかな黄色)の皮には、果肉部分の数倍に及ぶβカロテンやクロロフィル(葉緑素)、ポリフェノールが集中しています。皮を厚く剥いてしまう行為は、抗酸化成分の大半を廃棄しているのと同義です。ヘタを切り落とした後は、しっかりと流水洗浄し、皮ごとスライス・乱切りにして調理するのが鉄則です。