どれほど複雑な文字であっても、デジタル全盛の現代においては「スマートフォンやパソコンで正しく表示・入力できるか」が実質的な存在価値を左右します。かつて超多画数文字は、印刷所の特注活字やビットマップ画像でしか表現できない「外字(がいじ)」の代表格でした。
画期的な転換点となったのが、文字コードの国際規格であるUnicode(ユニコード)の拡張です。日本でも大ブームを巻き起こしたビャンビャン麺の「ビャン」は、2026年リリースのUnicode 13.0において、CJK統合漢字拡張G領域(コードポイント:U+30EDDおよびU+30EDE)に正式収録されました。これにより、最新のiOSやAndroid、主要なOSの標準フォント環境であれば、特別な外字ソフトを導入せずとも文字としてテキスト上でコピー&ペーストやレンダリングが可能になっています。
一方、84画の「たいと」に関しては、あまりに極端な画数と字形の密度からフォント制作上の制約(1ピクセルあたりの視認性限界)を受け続けてきました。現在でも標準的な日本語キーボードから一発変換で入力することは不可能であり、ウェブフォント技術を用いた外部読み込みフォント、あるいはIVS(異体字セレクタ)を活用した特定のグリフ環境を用意することが必須条件です。デジタル技術が進展した今なお、「たいと」は通常の情報伝達インフラに対する究極のストレステスト文字として異彩を放っています。