当時の報道を振り返ると、いかに日本のエンタメメディアが過熱していたかがわかる。まだスマートフォンが普及しきり、Twitter(現X)が日常のインフラになりつつあった過渡期。週刊誌のスクープがテレビのワイドショーで何時間も議論される時代だった。
涙ながらに謝罪する塩谷の姿と、凛とした態度で会見に臨んだ冨永のコントラストは、世間のジェンダー観や「誠実さ」に対する議論を巻き起こした。それは単なる男女の痴話喧嘩を超え、社会的な現象にまで肥大化してしまったのだ。情報消費のスピードが今ほど速くなかったからこそ、あの騒動は人々の記憶に深く刻み込まれた。