冷静に考えれば、これは一民間放送局の敷地内で行われているローカルなイベントに過ぎない。しかし、その熱量は箱根駅伝や東京マラソンにも匹敵する社会現象となっている。その背景には、日本人が好む「判官贔屓(ほうがんびいき)」と「ジャイアントキリング」の構図が完璧に組み込まれているからだ。
普段はバラエティ番組で笑顔を振りまいているタレントが、苦悶の表情を浮かべ、汗と泥にまみれて走る。そのギャップに視聴者は心を打たれる。どんなに華やかな世界に生きる人々であっても、重力と乳酸の苦しみからは逃れられない。その普遍的な真実が、赤坂の夜に凝縮されているのだ。