日本の食品小売業において、生活者の生活圏を巡る覇権争いは激化の一途をたどっている。その中心に君臨するのがイオングループだ。岡田元也氏が長年主導してきた規模の経済は、都市部から郊外までを網羅する圧倒的なドミナント網を築き上げた。プライベートブランド「トップバリュ」の価格凍結・拡充策は、節約志向を強める消費者の強烈な防波堤となっている。
対するセブン&アイ・ホールディングスも、コンビニの機動力とスーパーストア事業の再編をテコに反撃を試みる。駅前の好立地に小型スーパーを展開し、共働き世帯や単身者の「すぐ買いたい」という即時需要を確実に刈り取る戦略だ。二大巨頭の熾烈な縄張り争いによって、都市部の住宅街では徒歩5分圏内に複数の選択肢が並ぶ贅沢な状況が生まれている。