日本文化の最大の特徴は、「外来の要素を柔軟に受容し、独自の文脈で重層的に統合する力」にあります。古代における大陸からの漢字や仏教の受容から、明治以降の西洋近代技術の導入に至るまで、日本は古来の自然崇拝や神道的な感覚をベースに残しつつ、新たな文化を融合させてきました。
国内の文化領域を大別すると、長い歴史の中で洗練されてきた伝統文化(歌舞伎、能楽、茶道、華道、着物など)と、日々の移り変わりを反映する現代文化(J-POP、ストリートファッション、デジタルアートなど)に分かれます。両者は断絶しているのではなく、伝統的な美意識や職人技が現代のデザインやエンターテインメントの根底に息づいています。
代表的な例が食文化の成り立ちです。南北に長い日本列島の豊かな自然と四季の移ろい、発酵技術を生かした伝統的な「和食」はユネスコ無形文化遺産にも登録されています。その一方で、ラーメンやカレーのように海外から伝来した料理を日本独自の進化を遂げさせ、国民食へと育て上げたプロセスにも日本文化特有の編集能力が見て取れます。
さらに見逃せないのがサブカルチャーの歴史と経緯です。1970年代以降、マンガ、アニメ、ゲーム、特撮などを中心に独自発展を遂げた日本のサブカルチャーは、かつては一部の愛好家による「周縁の文化」とみなされていました。しかし半世紀の時を経て、現在では世界中のファンを惹きつける日本屈指の基幹コンテンツ産業、すなわちメインカルチャーへと成長を遂げています。