子なし夫婦を苛む最大の懸念事項として挙げられるのが、老後の孤独や介護の問題だ。「老後に面倒を見てくれる子がいないと惨めだ」という言説は、古くから繰り返し語られてきた。しかし、現代の介護システムや社会保障の構造を直視すれば、子どもが老後の保証にならないことは明白だ。
社会学の研究や高齢者福祉の現場からのデータは、子持ちであっても孤立死や孤独感を抱える高齢者が少なくないことを示している。むしろ子なし夫婦の場合、若い時期から老後に向けた資産形成やコミュニティ作りに積極的である傾向が見られる。有料老人ホームの確保、友人ネットワークの再構築、任意後見制度の活用など、現実的なリスクヘッジを早めに講じることで、子どもに依存しない自立した晩年を準備できる強みもあるのだ。