事業者が最も頭を悩ませているのが、具体的に求められる営業許可施設基準の高さだ。自宅の台所をそのまま製造場として使用することは原則として認められない。居住空間と完全に遮断された専用の調理室を用意し、床や壁は耐水性かつ洗浄しやすい材質で仕上げる必要がある。埃や害虫の侵入を防ぐ構造も必須だ。
水回りの設備要件も極めて具体的だ。器具や原材料を洗浄・消毒するための「二槽以上のシンク」設置が求められるほか、従事者専用の手洗い場には非接触型または足踏み式の水栓を導入しなければならない。手作り漬物を安全に市場へ送り出すには、従来の家庭用設備の延長ではなく、専門的な漬物製造業の施設として数百万円規模の改修工事を迫られるケースが珍しくないのだ。