生後4週〜8週にかけての離乳期は、液体(ミルク)から固形物(ドライフード)へと消化器の働きを劇的に適応させる難所です。いきなり硬いドライフードを与えると、歯を痛めるだけでなく、胃壁を刺激して嘔吐や食滞を引き起こします。
フードをふやかす際は、38〜40度程度のぬるま湯または子猫用育児ミルクを使用してください。熱湯を注ぐと、成長に不可欠なビタミンB群やタウリンなどの必須アミノ酸が熱破壊されてしまいます。また、電子レンジで高温加熱する行為も厳禁です。浅い平皿にドライフードを入れ、ひたひたになる程度のぬるま湯を注いで15〜20分放置し、中心部まで芯がなくなったらスプーンの背でマッシュ状にすり潰して与えます。雑菌の繁殖スピードが極めて速いため、作り置きは絶対に避け、食べ残しは20分以内に廃棄しなければなりません。
また、ドライフードとウェットフードの組み合わせについては、ドライ7割・ウェット3割(カロリー比率)のハイブリッド給餌が多くの獣医臨床現場で推奨されています。ウェットフードは水分含有量が約80%と高く、自発的な飲水量が少なくなりがちな猫の「特発性膀胱炎」や将来の「慢性腎臓病」の予防に絶大な効果を発揮します。一方、ドライフードは歯垢の沈着を抑制し、顎の筋肉を発達させるメリットがあります。両方のテクスチャーに幼少期から慣れさせておくことは、将来病気で療法食へ切り替える際の「頑固な食わず嫌い」を回避する最良の社会化トレーニングにもなります。