2026年7月に発行された新紙幣(北里柴三郎の千円札、津田梅子の5000円札、渋沢栄一の1万円札)は、自販機業界の勢力図を大きく塗り替えました。現在、街頭の自販機を取り巻く決済環境は劇的な転換期を迎えています。
新紙幣のホログラムや微細模様を読み取るため、自販機1台あたり数万円から十数万円にのぼる紙幣識別機(ビルバリ)の交換費用が発生しました。飲料メーカーやオペレーター各社は、多額の費用をかけて5000円札対応のユニットを新設する選択肢を捨て、交通系ICカードやQRコード決済(PayPay、楽天ペイ、d払いなど)のリーダー増設へ投資を一気に集中させました。
その結果、2026年現在では「5000円札の現金対応」を求める声そのものが薄れつつあります。現金スロットは千円札のみの最小限に留め、高額決済や手持ち現金がない場面はすべてスマホやカードで完結させるスタイルが都市部から地方まで完全に定着しています。