「専従者である妻には月いくらまで支給できるのか」という疑問に対し、国税庁の基本通達および判例では、形式的な上限額ではなく「労務の対価として相当であるか」という実質基準を求めています。
実務上の支給額ボリュームゾーンを見ると、事務や接客補助を中心とする配偶者の場合、月額8万円〜15万円(年額96万円〜180万円)に設定されるケースが大半を占めます。月額8万8,000円未満(年額約105万円)に抑えれば、専従者本人の所得税における源泉徴収事務が発生せず、給与所得控除(55万円)と基礎控除(48万円)の枠内に収まるため所得税が非課税となる点が広く選ばれている背景です。
ただし、専従者が特殊な資格(税理士、宅建士、看護師、Webエンジニアなど)を保持し、事業の売上に直接直結する重要業務をフルタイムで担っている場合は、月額25万〜40万円以上の設定でも客観的妥当性があれば十分に認められます。判断基準となるのは以下の4点です。
- 従事する業務の内容および性質:単純作業か、専門的判断を伴う統括業務か
- 従事の態様・拘束時間:週に何日・何時間働いているか(他社従業員との比較)
- 事業の収益状況:事業主の事業所得に対して不自然に過大でないか
- 同種同規模の第三者給与水準:ハローワークや求人媒体における同業種の賃金相場