スコアボードに並ぶ数字の裏で、極めて高度な情報戦が展開されている。今夜のマウンドを託された両軍先発投手のトラッキングデータを精査すると、勝負の分岐点は明白だ。巨人の柱となる先発右腕は、カウント別の被打率において初球ストライク時の被打率が極端に低い一方、ボール先行時の長打警戒ゾーンに明らかな癖が潜む。中日打線が狙うべきは、まさにカウント1-0や2-1からの甘く入るスピン系の変化球だ。
対する中日の先発陣は、クオリティ・スタート(QS)達成率の高さが際立つ。とりわけ左打者のインコースを容赦なく突くツーシームの制球力が生命線となる。巨人ベンチが組むスタメンは、下位打線に走力と小技を兼ね備えた曲者を並べる変則オーダーで揺さぶりをかける公算が高い。これに対し、中日側は出塁率を最優先した打順の組み替えを敢行。一発長打を狙うのではなく、徹底したファウル打ちで球数を投げさせ、相手エースを早いイニングで引きずり降ろす腹づもりだ。両指揮官が繰り出すスタメン表の1行目から、すでに心理戦の火花が散っている。