「日本一周の旅」といえば、バラエティの限界を攻めた豪快かつ過激なロケが名物でした。現代のコンプライアンス基準では到底実現不可能な数々の演出は、いかにして生み出されたのでしょうか。
1. 愛車爆破ドッキリと中居正広の「役者魂」
ファンの間で今も語り草となっているのが、中居正広が大切にしていた愛車(シーマなど)を模した車が崖から転落・大爆破されるドッキリです。もちろん実際に爆破されたのは同車種の廃車スタント用車両でしたが、現場で何も知らされていなかった中居の「絶句から怒り、そして諦めと笑いへの転化」という一連のリアクションは、リアリティの極致でした。
関係者の証言によると、制作陣は中居のリアクションを最大化するため、カメラの配置から火薬の量、爆発のタイミングに至るまで映画さながらの綿密なリハーサルを重ねていたといいます。中居自身もバラエティの文脈を瞬時に理解し、アイドルとしてのパブリックイメージをかなぐり捨てて「おい!俺の車だぞ!」と叫びながら現場に走り寄る姿は、プロのエンターテイナーとしての矜持を感じさせました。
2. SMAPライブへの乱入と「岡村オファー企画」との完璧な連動
2004年の「日本一周 笑顔の旅」では、当時国民的グループとして頂点を極めていたSMAPの全国スタジアムツアー東京ドーム公演に岡村隆史がバックダンサーとして極秘潜入しました。この演出は『めちゃイケ』の人気コーナー「岡村オファーが来ましたシリーズ」とのクロスオーバーであり、テレビ局の垣根や芸能界の慣習を打ち破る前代未聞の試みでした。
数万人の観客が埋め尽くすステージ上で、岡村が完璧なダンスを披露しながら徐々に中居へ近づき、正体がバレた瞬間に中居が見せた驚愕と歓喜の入り混じった表情は、日本のテレビ史に残る名場面です。この裏には、中居正広による徹底したジャニーズ事務所側への事前根回しと、岡村の血のにじむようなダンスレッスンが存在していました。