世界の宇宙ビジネスは今、スペースXが提示した「低コスト・高頻度打ち上げ」の標準化によって構造変化の渦中にある。ファルコン9やファルコンヘビーの独走を許さぬよう、中国は独自のロケットエコシステムを急速に整備してきた。低軌道(LEO)向けには小型・中型の新鋭機や民間スタートアップの機体を投じ、GEO向けには本機を投入する戦略的分担が完全に機能している。
もっとも、欧米の制裁や安全保障上の懸念から、欧米企業が中国製ロケットに衛星打ち上げを委託することは事実上不可能だ。しかし、グローバルサウス諸国や中東、アフリカ市場においては話が異なる。新興国が自国のインフラ衛星を打ち上げる際、中国が提供する「衛星製造と打ち上げのパッケージ提案」は強力な選択肢となっており、国際宇宙ビジネスの分断は深まるばかりだ。