現在も仲代の日常の中心にあるのは、自身が立ち上げた俳優養成所「無名塾」だ。東京都世田谷区にある稽古場や、第二の拠点である石川県七尾市「能登演劇堂」において、彼は今も若手塾生たちの指導に情熱を傾けている。
「稽古場に立つ先生の姿には、再婚や隠居といった言葉はまったく似合いません」と、ある若手塾生は明かす。午前中の発声練習から午後の立ち稽古まで、妥協を許さない鋭い眼光は若い頃となんら変わらない。身の回りの世話をするスタッフたちも、恋人や新妻ではなく、彼が演技に集中するための「チーム」として強固に機能しているのが実情だ。