結婚後の勝新太郎は、日本映画史に残る金字塔『座頭市シリーズ』を大ヒットさせ、国民的スターとしての地位を不動のものとする。さらに自らの理想の映画作りを追い求め、勝プロダクションを設立。しかし、妥協を許さない映画制作へのこだわりは、やがて巨額の負債となって夫婦に重くのしかかることとなった。
それでも玉緒が勝の手を放すことは決してなかった。莫大な借金や数々のトラブルに見舞われながらも、玉緒はバラエティ番組などで天性の明るさを発揮し、懸命に家庭とプロダクションを支え続けた。「勝新太郎という天才の女房でいられたことが私の誇り」と語る彼女の献身は、単なる夫婦愛を超え、ひとりの天才芸術家を命がけで守り抜く共犯者としての絆だった。