かつて塚本千葉第三ビルのフロアを広く占有していた「ヨドバシカメラ マルチメディア千葉」は、駅周辺の商業再編の波に乗り、そごう千葉店ジュンヌ館跡地へと大規模移転を果たしました。このヨドバシカメラ千葉店移転跡地のインパクトは、ビル内外に大きな地殻変動をもたらしています。
現地を訪れると、大型家電量販店特有の喧噪やデジタルサイネージの点滅は姿を消し、低層階は落ち着いた佇まいを取り戻しています。かつては家電やホビーを買い求める若年層やファミリー層の往来が絶えませんでしたが、現在はオフィス従事者やクリニックを訪れるシニア層など、来館者の年齢層が明確にシフトしました。
特に注目すべきは、地下1階・地下2階に広がる飲食街の空気感です。SNSやネット掲示板では「ヨドバシがなくなって過疎化しているのでは」と危惧する声も散見されましたが、実際のランチタイムや退勤後の時間帯には、近隣企業に勤めるビジネスパーソンがひっきりなしに足を運んでいます。昭和レトロな雰囲気を色濃く残す店構えと、駅前でありながら手頃な価格帯で提供される定食や一杯呑みの文化は、現代の画一的な商業ビルにはない強力な集客磁石として機能しています。
大資本のチェーン店が一挙に押し寄せる商業施設とは異なり、個人商店や地域密着型テナントが培ってきた人間関係が、ビルの基盤を底支えしている現場のたくましさを実感させられます。