ゴンのビジュアル面で最も視聴者の視線を引きつけたのが、右腕にびっしりと施された緑色のタトゥーです。一見するとクラブカルチャーに身を置くイベントオーガナイザーらしい装飾に見えますが、そのモチーフと意味合いには彼の生き様が色濃く反映されています。
腕のタトゥーのモチーフは、アパートのベランダにも生い茂っている「ゴーヤ(ツル植物)」と「その花・実」です。ツル植物は支柱さえあればどこまでも伸び、境界線を無視して絡みついていく性質を持ちます。これはまさに、他者との間に「心理的バウンダリー(境界線)」を持たず、誰の懐にもスルスルと入り込んでしまうゴンのパーソナリティそのものをメタファーとして表現したものです。
また、劇中でゴンが多くの女性に気軽に配っていた「部屋の合鍵」も、彼のタトゥーと同様に「拒絶のなさ」「プライベート空間の開放」を象徴していました。誰でも拒まず受け入れる一方で、特定の誰かを特別扱いしない彼の空虚な内面が、肌に刻まれたタトゥーと合鍵の存在によって浮き彫りにされていたのです。