そして2026年、短編集『夜に星を放つ』により、第167回直木三十五賞を受賞。日本文学振興会が主催し、文藝春秋から刊行された本作は、コロナ禍の閉塞感の中で人と人とのつながりや再生を描いた感動作として絶賛された。
選考委員会でも、人間関係の繊細な揺れ動きをキャッチする卓越した描写力が高く評価された。思春期の揺れる心、かけがえのない者を失った遺族の悲しみ、そしてかつての夫婦関係の残滓。窪美澄は、傷つきながらも生きようとする人間たちの小さな光をすくい取る。かつて自らが経験した傷や孤独があるからこそ、彼女の描く希望は上滑りせず、読者の深層心理に深く刺さるのだ。