知之さんは長年、東京都の東村山市役所に勤務し、定年退職後も再任用職員として市民のために働き続けた。職場で彼と言葉を交わした市民や同僚は、誰もがその声のトーンや柔らかな物腰に驚いたという。電話口で話せば、まるでテレビの中の志村けんさんと直接対話しているかのような錯覚を覚えるほどだった。
弟がどれほど全国的なスーパースターになろうとも、兄は決してその威光を笠に着ることはなかった。市役所の窓口で淡々と住民票の交付や市民相談に応じる日々。地元・東村山を愛し、地に足をつけて暮らす兄の存在は、多忙を極めプレッシャーと戦い続ける弟にとって、いつでも原点を思い出させてくれる絶対的な安全地帯だったに違いない。