日本のメディア環境における決定的な転換点となったのが、故・ジョニー・喜多川による未成年者への性加害問題だ。数十年にわたりタブー視され、大手メディアが黙殺を続けてきたこの巨大スキャンダルは、英国BBCの報道と当事者たちの勇気ある実名告白によって堰を切ったように世論を動かした。
その背景には、『文春オンライン』や週刊誌メディアが長年にわたり積み重ねてきた執念の調査報道が存在する。忖度と利権でがんじがらめになっていた既存メディアの姿勢が厳しく問われ、報道機関自身が「沈黙による共犯関係」を反省する契機となった。
権力者の不正を暴き、被害者の声に耳を傾ける報道の存在が、不可侵とされた大手芸能事務所の解体・再編へとつながったことは、ジャーナリズムの果たすべき役割を再認識させた。