なぜ私たちは、これほどまでに起きもしない未来を恐れるのか。最新の脳磁図(MEG)を用いた研究によると、人間の脳は「わからない状態」を生存の危機と判断するように設計されている。つまり、不確実な未来に対して、あえて最悪のシナリオを描くことで、あらかじめ心の準備をしようとする防御本能が働くのだ。
しかし、この本能は現代の複雑な社会システムにおいては完全に空回りしている。狩猟採集時代なら猛獣の襲撃に備える必要があったが、現代の「プレゼンでの失敗」や「人間関係の摩擦」に対して脳が命の危機レベルの警報を鳴らしてしまう。このギャップこそが、終わりのない不安の正体である。