渋野日向子のスポーツキャリアは、ゴルフ一色で染まっていたわけではない。むしろ、彼女の身体能力の骨組みを作ったのは、間違いなく小学生時代に熱中したソフトボールだ。
岡山県内の少年ソフトボールクラブで唯一の女子選手としてマウンドに立ち、男子顔負けの速球を投げ込んでいた。ピッチャーというポジションは、全身の連動性が求められる。プレートを強く蹴り出し、指先へエネルギーを伝える一連の動作。これが、現在のゴルフスイングにおける爆発的なヘッドスピードの土台となった。
ゴルフスイングにおける「地面反力」という言葉が定着する遥か前から、彼女の身体はマウンドの上でその感覚を自然に掴んでいたのだ。