プロダクション人力舎の楽屋でも、彼の奇行と優しさが交錯するエピソードは絶えない。本番数分前まで全く関係のないYouTube動画を真顔で眺めていたかと思えば、本番に入った瞬間に誰も予測できない角度からボケを打ち込む。共演者やスタッフを唖然とさせるその立ち回りは、一見すると制御不能に見える。
しかし、その暴走を完璧なツッコミと包容力で受け止めるガクの存在があってこそ、真空ジェシカの笑いは成立する。楽屋での二人は必要以上にベタベタせず、かといって不仲でもない。お互いの「笑いのベクトル」を深く信頼しているからこそ生まれる独特のディスタンス。テレビのカメラが回っていない舞台裏で、ガクが見せる苦笑い混じりの眼差しこそが、川北の狂気を最高のお笑いへと昇華させている。