この名菓の起源は、享保2年(1717年)にまで遡る。江戸・向島にある長命寺の門番を務めていた山本勝歳が、隅田川の土手に植えられた桜の落ち葉掃除に頭を悩ませていたことが全ての始まりだった。山本勝歳は、その大量の葉を塩漬けにし、餅に巻いて売り出すという画期的なアイデアを思いつく。
長命寺の境内前で売り出されたこの新しい菓子は、花見客の間でたちまち大評判となり、江戸中にその名が知れ渡った。山本勝歳が考案した「塩漬けの葉で餡餅を包む」という卓越した発想は、単なる廃棄物の再利用を超え、日本の和菓子製造業の発展における歴史的な転換点となったのである。