現在の音楽興行産業は、かつてない変化の渦中にある。全国各地で音楽鑑賞に特化した専用アリーナが続々と開業し、音響設備や観客視点の見やすさを重視した空間設計が評価を集めている。対して、野球開催を主目的として設計された多目的ドームは、残響時間の長さやステージ見切れ席の多さといった構造的制約を抱える。
進化を続ける現代のライブエンターテインメントにおいて、観客が求める体験の質は年々高まっている。迫力ある演出と快適な観覧環境を求める時代において、スタジアム級の箱をただ用意すれば人が集まる時代は完全に終わったのだ。