沢田研二という表現者が放つ破天荒なエネルギーと、田中裕子がスクリーンで魅せる静謐で奥行きのある演技。一見すると対照的に見えるふたりの芸術的感性は、家庭というプライベートな空間で静かに響き合っている。
現場を知る関係者によれば、ふたりは互いの仕事に対して不要な口出しを一切しないという。しかし、新作映画の台本やコンサートの構想において、もっとも信頼する第一の観客であり批評家であることは疑いようがない。過度な干渉を排し、自立したプロフェッショナルとして対峙する姿勢が、双方の表現力を年齢とともに深めさせてきた。