日本企業や政治の記者会見で繰り返されるのが、幹部が頭を下げて辞任を発表するシーンです。しかし、現場のビジネスパーソンを対象とした各種意識調査やSNS上の議論を検証すると、こうした形式的な幕引きに対する強い違和感が浮き彫りになっています。
「役職を辞めて逃げるのは無責任」「一番大変な後始末を部下に丸投げしているだけ」という声が圧倒的多数を占めているのが実情です。本来、ビジネスにおいて責任を果たす具体例とは以下のプロセスを完遂することを指します。
- 第1段階(被害の極小化と即時対応):発生したトラブルによる損害を最小限に抑え、顧客や関係者の安全・利益を確保する。
- 第2段階(徹底した原因究明と説明責任):なぜ問題が起きたのかを客観的に分析し、ステークホルダーに対して透明性を持って事実を開示する(Accountability)。
- 第3段階(再発防止の仕組み構築):属人的な反省で終わらせず、二度と同じ過ちが起きないよう業務フローや監査体制を再設計する。
職を辞すことが許されるのは、自らの存在自体が組織の刷新や改革の最大の障壁となっている場合に限られます。問題を放置したまま立ち去る行為は「責任を取る」ことではなく、単なる「職務放棄」に過ぎません。