実技対策の現場は今、大きな変化を迎えている。美術予備校業界では、東京芸大や武蔵野美大といった美大受験対策のノウハウをベースにしながらも、私立理工系建築学科に特化した独自の指導メソッドが急速に進化してきた。
なかでも長い歴史を誇る「すいどーばた美術学院」をはじめとする主要な予備校では、建築志望者向けの専用講座が開講されている。そこでは、美大受験で求められる絵画的な情感描写とは一線を画し、明確な透視図法(パース)に基づいた幾何学的空間の構築力が徹底的に叩き込まれる。
大学受験実技試験という枠組みにおいて、理系受験生は数学や物理の高度な勉強と実技の練練を並行しなければならない。予備校の現場では、短時間で効率よく構図の破綻を防ぐ「パターン学習」ではなく、課題文の言葉から立体空間を立ち上げる柔軟な「即興構想力」の養成に重点が置かれている。