こうしたビジネスモデルの原点は、日本のポップカルチャー史をさかのぼるとより鮮明に見えてくる。プロデューサーの秋元康氏が手掛けたアイドルグループ「AKB48」のCD特典手法は、現在の市場構造を形成した決定的な転換点だった。ランダム封入された生写真や選抜総選挙の投票券、握手券を目当てに、ファンが同一のCDを大量購入する現象は大きな社会現象となった。
この手法は後にスマートフォンゲームの「ガチャ」システムへと受け継がれ、デジタル領域で爆発的な収収益を生み出す柱となった。そして今、その仕組みは再び物理的なリアルグッズへと還元され、エンターテインメント産業全体の主要な収益源として不可欠な存在へと成長を遂げている。単価の低いグッズであっても、ランダム性を付与することで顧客単価を劇的に引き上げるロジックが完成したのだ。