ブームが頂点に達した時期、彼女の日常は想像を絶する過密スケジュールに追われていた。試合と練習の合間をぬって行われたCM撮影の裏側には、知られざるエピソードが残されている。特に大きな話題を呼んだのが、花王株式会社(当時は花王石鹸)のテレビCM出演だ。キャッチフレーズと共に全国で放映されたその映像は、彼女の認知度を決定的なものにした。
撮影現場では、試合後の疲労が残るなかでも一切の妥協を許さず、完璧な投球シーンが撮れるまで何度も投球を繰り返したという。こうした熱狂はエンターテインメント界にも波及し、女子ボウリングを題材としたスポ根ドラマ『美しきチャレンジャー』が制作されるなど、一種の社会現象と化した。後年に制作された数々のスポーツドキュメンタリー番組でも、当時の狂乱的なメディア狂騒曲と、その中で自己を見失わずに闘い続けた彼女の強靭な精神力が詳しく検証されている。