このイベントの歴史は、熱狂の歴史であると同時に、環境との闘いの歴史でもあった。かつて代表を務めた故・米澤嘉博氏の時代から、膨れ上がる参加者の安全と快適な会場環境の確保は常に最優先の課題とされてきた。晴海から有明へと会場を移し、規模が拡大すればするほど、熱気と湿気への対策は切実さを増していった。
イベントを陰で支えるコミックマーケット準備会は、単なる運営組織にとどまらず、施設管理者や空調技術者と密に連携しながら数々の改善を積み重ねてきた。来場者の熱気を安全に逃がし、過酷な環境下でもオタク文化の熱量を守り続けるための試行錯誤が、半世紀に及ぶ歴史を支える強固な基盤となっている。