フジテレビの月9枠で異色の輝きを放ったのが、新川帆布のミステリー小説を原作とした『競争の番人』だ。坂口健太郎と杏がダブル主演を務め、日本のテレビドラマとしては極めて珍しい「公正取引委員会」という舞台にスポットライトを当てた。
坂口健太郎が演じる理屈っぽく天才肌の審査官・小勝負勉と、杏演じる直情型で元刑事の白熊戒。対照的な2人がカルテルや談合といった経済犯罪の闇に切り込むプロセスは、エンタメとしての痛快さと知的好奇心を同時に満たしてくれた。決して派手なアクションがあるわけではない。しかし、地道な証拠集めと緻密なロジックで巨悪を追い詰めるプロフェッショナルの矜持は、働く大人の心に強く響いた。