これまで『ガラスの仮面』の再実写化において、最大の壁とされてきたのが劇中劇の最高峰「紅天女」の映像化だ。千年生きる梅の木の精霊という神秘的な存在を、人間の身体と映像表現でどうリアリティをもって成立させるのか。これが映像クリエイターたちを悩ませ続けてきた難題であった。
昭和から平成の映像技術では、舞台演出が持つ幻想的な空気感を実写フィルムに収めるには限界が存在した。しかし、最先端のLED背景技術(インカメラVFX)や高度なVFXの台頭により、状況は一変している。過度なCGに頼るのではなく、生身の俳優が放つ圧倒的な演技力と最先端の映像演出を融合させることで、幻の演目「紅天女」がリアリティをもってスクリーンに蘇る準備は整いつつある。