彼女の歩みを語る上で避けて通れないのが、父・永六輔というあまりにも大きな存在だ。放送作家、作詞家、タレント、そして随筆家。日本のエンターテインメント界に巨大な足跡を残した父を持ったことは、彼女にとって誇りであると同時に、常に大きな重圧でもあった。
「永六輔の娘」というレッテルは、ときに彼女自身のアイデンティティを覆い隠した。しかし、父の晩年、病と闘いながらもマイクに向かい続けた姿を最も近くで見つめ続けたことで、二人の絆は深い理解へと昇華していく。父が遺した無数の言葉や思想をどう次世代へ語り継ぐか。それは彼女にとって、人生をかけた命題となったのである。