視覚芸術と芸能の分野でも、革新的なブレイクスルーが相次いだ。木版画の技術革新によって誕生した浮世絵は、それまで貴族や高位の武士だけのものだった絵画を、庶民が手軽に買えるポップカルチャーへと引き下ろした。
人気役者や遊女を描いたブロマイドのような一枚摺りは、江戸や上方の都市部で飛ぶように売れた。それと連動するように、歌舞伎は庶民最高のエンターテインメントとして不動の地位を確立する。坂田藤十郎のリアルな濡れ場を演じる「和事」や、市川団十郎の荒々しい「荒事」は、熱狂的なファン層を生み出し、大衆消費社会の象徴となった。