肉体の身軽さを取り戻した小錦は、エンターテインメントの世界でも独自のポジションを確立していく。NHK『にほんごであそぼ』で見せた親しみやすいキャラクターは、子どもから大人まで幅広い世代の心を掴み、ハワイアンミュージシャンとしての音楽活動でも高い評価を得た。
さらに近年、Netflixのオリジナルドラマ『サンクチュアリ -聖域-』が世界的な大ヒットを記録したことで、海外における大相撲への関心が爆発的に高まった。土俵のリアリズムと過酷さを描いた同作の熱狂は、かつて異国の地から来日し、体格差と偏見を跳ね返して頂点近くまで登りつめた小錦八十吉という不世出の巨星に、再びスポットライトを当てる契機となった。表現者としての彼の言葉には、本物の土俵を生きた者だけが持つ圧倒的な説得力が宿っている。