『魔男のイチ』の大きな魅力は、大ヒット作『魔入りました!入間くん』で知られる異才・西修との強力なタッグにある。コミカルでありながら深みのある世界観を構築する西修のストーリーテリングと、宇佐崎しろが描くエッジの効いた緻密なビジュアル。この二人の化学反応が、王道でありながらどこか歪で魅惑的なダークファンタジーの扉を開いた。
魔法や怪異が蠢く世界観の中で、主人公・イチをはじめとするキャラクターたちが躍動する姿は実に見事だ。魔法の発動シーンにおける独特の紋様や空間の歪み、不気味でありながらどこか美しい造形美。原作の自由な発想を最高のかたちで視覚化してみせるビジュアルディレクションは、まさにこのタッグだからこそ成し得た奇跡と言える。